商売繁盛の秘訣、教えます!
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㈱船井総合研究所 フードビジネスチーム 次長 花岡良輔

弊社会長小山政彦は震災後の消費者の4つの変化の1つに「より地縁を大切にするようになる」と言います。地縁とはコミュニティと言い換えることができます。菓子店などの食品製造小売店の一部の店舗では既に取り組み始めています。例えば地産素材をメインに使用しているお店では地元生産者とのつながりを訴求すべく生産者との交流や売り出しなどのイベント時に生産者に朝市への出店をお願いし、生産者と消費者の交流の場を提供しています。また全国から厳選した素材を使用しているお店ではオーナー自らが産地に出向き生産者や生産団体との交流し、その様子を店舗や各種販促物などをビジュアルで訴求しています。お客様とのコミュニティを育成するために親子菓子作り教室などのイベント開催を実施しているお店が増えてきています。

このように、コミュニティ訴求型マーケティングとは

自店を中心として自店をいつも支えてくださっている①生産者とのコミュニティ ②消費者とのコミュニティ ③仕入先とのコミュニティなどのコミュニティを形成しているということを伝えるのです。またこの考え方は、3.11の震災後マズローの5段階欲求から発展した6つ目の欲求として注目を集めている「コミュニティ発展欲求」を刺激することになります。震災以降日本人は

①誰か(何か)の役に立ちたい

②自分が住んでいる(所属している)地域や集合体(コミュニティが今よりも発展して欲しい 

などという想いを持ち、その意識の上で消費行動を起こすという消費者が急増しています。「絆」マーケティングとか「義理人情」マーケティングなどという言葉を耳にされた方もいると思います。

震災以降、ヒトとの絆や地縁を大切にする人が増えている中、マーケティングにおいてもいかに自店が地域、消費者などと「共に存在している」かを示すことがコミュニティ型時代には必要になってくるのです。

自店を核としたコミュニティ形成を考える際に社会貢献や地域貢献など大義名分を持つ方がより消費者に対して「このお店から商品を買いたい」と思って頂ける理由になります。言い換えるとコミュニティを作ることによりCSR(企業の社会的責任)に取り組んでいることを訴求するのです。

「CSRは大手の話で中小の自分達には関係ない・・」と思われるかもしれませんが、決して企業規模は関係ありません。北海道で昨年12月にオープンしたドルチェ・ド・サンチョという洋菓子店は生産者とのコミュニティ形成を身の丈に合った方法で展開し、消費者に伝えています。道産(ドサン)素材を使ったお菓子(ドルチェ)をコンセプトとし、店売りだけでなく産直(サンチョ)で通販での販売も目指すお店です。店内では北海道の地図とともに卵・牛乳など約20種類の原材料について、どの地域の誰が作った素材を使用しているかを写真やイラストを使って大型POPで訴求しています。

コンセプトである地産素材を使用していることを訴求することも大きな目的ですが、レジ付近に設置しているのが、「サンチョの3円募金」の案内POP。3円募金のシールが貼っている商品を購入すると1購入につき3円を北海道の農業を支援しているNPO団体に寄付をするプログラムです。たった3円と言ってしまえばそれまでですが、CSRの取り組みは経営上無理のない範囲で実施しないと継続しません。金額の大小の問題ではないのです。

地産素材を使用しているお店では地元の農業がなくなってしまってはお店自体が成立しなくなります。地元の農業が将来的にも持続できるよう支援しているという姿勢を打ち出すことにより、コンセプトをより鮮明に消費者に伝えているのです。

また震災以降に多くのお店が、収益の一部を義援金として寄付するという取り組みを行われていますが、今後急速に効果は薄れてくるでしょう。義援金については被災者の手にいつわたるかもわからないとニュースを通じて消費者が知っているからです。

今後はより長期的視点に立ち、企業のコンセプトに連動したよりピンポイントの寄付や貢献活動が主流となり、それが企業マーケティング、ブランディングの重要な手法の一つとなるでしょう。

岐阜県恵那市にある菓子製造小売業の恵那川上屋。地元恵那栗を使ったお菓子作りだけでなく、自ら農業生産法人を作り理想の素材作りにチャレンジしている菓子店として注目の会社の一つです。2011年春に出店した東京二子多摩川の店舗も絶好調で、昨年末には経営者の鎌田真悟社長が日本一の栗を育て上げた男の奇跡のビジネス戦略(総合法令出版)を出版されています。コンセプトの一つに栗人(クリビト)と掲げ、栗とともに栗の文化を育て次世代に継承していきたいという想いを具現化されています。驚くのは地元恵那周辺で収穫される恵那栗の約90%はこの恵那川上屋が仕入れていること。それでも足らず、九州などから栗を仕入れている現状を打破しようと自社グループで農業生産法人も立ち上げています。恵那峡本店単店の年商は3億円。売上の80%が栗関連商品で、主力栗きんとんの売上構成比は約30%。まさに地元栗農家とのコミュニティを作り、そのコミュニティを発展させて行きたいという想いを持って展開されている先進的事例の一つです。

大阪市に本社を置き、らぽっぽ、CHAIMONなどのブランドで展開する芋を主体としたスィーツ店、くくるブランドでのたこ焼き店を全国に100店以上展開する白ハト食品工業。同社もコミュニティつくりには積極的で、お芋株オーナー制度を展開しています。お芋株オーナー制度とは毎年1500名近くの消費者が入会する会費3500円の有料会員制度のこと。オーナーになると、さつまいもの産地である種子島、徳島、茨城、宮崎4エリアの自社農園での苗植えと収穫の体験ツアーへの参加、収穫した芋・商品の提供などのサービスを受けられます。お芋株オーナーになった消費者は全国になる白ハトグループのお店のヘビーユーザーとなり、白ハトグループを応援するサポーターとなります。

2つの事例に共通することは、自社を中心とし、いつも支えてくださっている①生産者とのコミュニティ②消費者とのコミュニティなど双方向のコミュニティを形成しているということを伝えていること。この考え方は3.11の震災後マズローの5段階欲求から発展した6つ目の欲求として注目を集めているコミュニティ発展欲求を消費者に訴求しているのです。

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